2022-01-01から1年間の記事一覧
突然のことだった 朝の通勤ラッシの山手線は、当然のようにその日もいい具合に混んでいた 新たに乗客が押し込まれてきて、奥に追いやられた 吊革に伸ばした腕に何かが当たる くすぐったい なんだこれは! 見ると、女性のポニーテールの先っぽだった 絶妙な角…
ここのところ雨の日が続いていた 洗濯物を外には出せず部屋干しである 湿度は高く、なかなか乾かない 半日、一日とハンガーに吊り下げて、時折触れてチェックする 分からない 乾いていると言えば、乾いている 湿っていると言えば、湿っている 数時間置いてみ…
なんでみんなハゲてないんだよ! 同級生が、である 直毛で量が多く、床屋で、すいてもらわないとダメなんだよね〜と言うやつもいる ちょっと白髪が混じっただけで、染めれば高校時代と変わらなそうだ どうなってんだよ! 老化って概念がないんか! 羨ましい…
安かったからだ 値段のわりにデカイからだ 色ツヤが良いからだ しかしだね、きみ、その山芋を今日食べるかね? 食べないよね、今日のおかずはもう買ってある 明日から仕事だろう? 昼飯は外食だ 仕事終わって帰宅して、山芋を擦るかね? 擦らないだろう、面…
高校生が出てくるような邦画の青春映画が好きだ 自分の年齢の半分以下、いや三分の一くらいの若者が主人公で、製作者もまさかこんなおっさんが、こんな熱心に見ているとは思うまい 何作品か見ていて気づいた 主人公の陰キャの男子がカッコ良すぎる いや、分…
若いときは、ばくばく食っていたお菓子 着色料の青色何号、赤色何号などがドボドボ入っていようが、保存料が10年先まで持ちそうなやつが混じっていようが、封を開けたら多少干からびていようが、とにかく食っていた スーパーの特売品やら、駄菓子をうめうめ…
街中で歩いてると時折、目にするアルバイトの求人広告 スタッフ募集!お気軽にお問い合わせください! お気軽に問い合わせたくなる 働くんか?と言われると困るが、面接を受けるのが好きだ 店内の奥の方の従業員専用の部屋に通されるとワクワクする 必要書類…
空模様が怪しい 直感が働き、これは降るなと思う かなりの頻度で当たるのだ とてもありがたい能力だと思う しかし、傘を持っていかない 必要になるであろうことはわかっている 軽量の折り畳み傘を持っているし、荷物になるわけでもない 合理的に考えれば、持…
東南アジア系のお母さんと幼稚園児くらいの息子が歩いていた 急に息子が道の真ん中に走り出す ドゥーオーアルガナクーガナ! お母さんがそう叫ぶと息子は止まり、振り返って微笑んだ どこの国の人だろうかなんて言ったんだろう 状況から察するに、走らないで…
どこか、遠くの場所で起こっている音を聴くのが好きだ 微かに聞こえるというやつ カタンコトンとうっすら響く電車の音、近所から漏れてくるテレビやラジオの音、バラエティー番組なのか家族が笑っている、夕餉の支度をする包丁とまな板や食器が触れ合う音、…
バスの時刻表を見ると、まだしばらくバスは来ない時 到着時刻になっているのに、姿を見せない時 じれったい だったら歩いて行ってしまおう わりとすぐ、やってきたバスに抜かれる
鯖缶大好きである 水煮缶が近所で100円で売っていたのだ ふふふ、食ってやるのだ 食ってやるのだ うりゃっ プルタブが取れた 缶詰は1ミリも開いていない 缶切りはない 売ってる店も近くにない ふふふ、食わないのでおいてやるのだ そっとしておいてやるのだ …
えっ!飲めないんですか!? このセリフを何度聞いたことだろう おっさんは酒が飲める 世間の人はそう思いすぎなのだ 若い可愛らしい男の子ならまだしも、熊五郎のようなおっさんが酒飲めないなんてありえんでしょ! 相手の顔にそう書いてある 酒を勧めてく…
ちょっとしたことで眠れない 音 これがするともうあかん そろそろ寝ようかな〜と布団に潜り込むも、隣の部屋から話し声や物音がすると、気になって眠れない そんなに大きな音でなくても眠れない 気にするなて、こんくらいと自分に言い聞かせるほど、眠れない…
よく乗り過ごす 電車で本を読んでいるときが一番危ない ページを開き、その世界に身を委ねシンクロすると、周りの景色が吹き飛んでしまう 顔を上げ、ああもうこんなところまで来たのか、到着まであとちょっとあるな、よしよし、まだ読める 再び、文字を追い…
セールで9800円の服を見つけた 前から欲しかったやつである 躊躇なくレジに持っていく 「¥10584円になります」 なんですと! 値札を改めて見る 税抜き価格と小さく書いてあるではないか うが・・・ 慌てて財布の中身を確認する 10000円しか入っていないでは…
都会、特に東京という街はあらゆる騒音に溢れている 激しく車は往来しクラクションが鳴り、街宣車が大音量を響かせ、営業中のサラリーマンがスマホ片手に商談や連絡をしている ガードレール上に電車が滑り込み、ホーム上に駅員の声がスピーカーで飛び交う 街…
緊張するタチである いや、タチであるという生ぬるい表現では済まない めっちゃ緊張しいなのだ いや、まだぬるいな おれより緊張するやつ、かかってこいや! いや、違うな 哺乳類のなかでおれが一番緊張するんだよ! そのわりに爪痕は残したいタイプだから、…
これを食べてはいけないという本を買った 古本屋の100円の棚に平積みされていた パラパラとめくり、安いからいっかとレジに持っていく 原材料表示を見なさい こういうものが入っていたら危険ですよと 買ったり、口にしてはいけませんよと なるほど なるほど …
ほぼ毎日やってしまう ドライヤーのコンセントを抜いたつもりなのに、他の家電製品が止まる 徐々に回らなくなる扇風機を見て、無心になる また違ったコンセントプラグを抜いてしまったと認識するまで1秒ほどかかるのだが、その1秒が妙に好きだったりする な…
おれは年を取っても走れない男にはならない 運動会のリレーがあったとしたら、アンカーは無理でも、1人か2人は追い抜き、順位を上げて次のランナーバトンを渡すのだ そんなおっさんにおれはなりたい 信号機の歩行者マークが点滅している ふっ 急ぐことはある…
久しぶりに平日の12時から13時まで、昼休憩を取ることになった そんなの当たり前やないかいと思うかもしれないが、普段は自分で好きな時に昼飯を食べている その日は仕事の都合で、一般社会におけるスタンダードな時間にランチを食べることになった ビジネス…
小さい頃、二十歳を過ぎるということは、すごく成熟した自分になっているんだろうと思っていた 世の中の分別が付き、状況に応じた判断ができて仕事もプライベートも充実していて、白い煙突がついた瀟洒な一軒家に住み、仕事から戻ると愛犬と奥さんと子供が飛…
おっさんになると、最近の曲が分からなくなる 自分が学生だったときも、全てのアーティストを好きだったわけではないが、なんとなくの流行っている曲の全体図は把握していたし、お気に入りも多かった 年配の人が、最近の曲はよう分からんと言うのが、よう分…
いまだに根強い人気の断捨離 関連本を立ち読みなどして(買ったら断捨離にならんという言い訳などしてみる)、なるほどとうなづき、おれもやってみようと思った 衣類は一年間着ていないものは処分すべしと書いてある よし! 衣装ケースを開ける 結構ありそうだ…
パソコンやタブレットについて、とことん詳しくない 日々、疑問点が泉のように湧き出てくる なもんで、コールセンターによく電話する 画面共有させていただいていいですか?と担当者から提案されることが多い めっちゃ助かる! 同じ画面を見ながらの操作だと…
たまに焼きそばが無性に食べたくなる カップ麺タイプではなく、袋に入っているやつだ 焼きそば舌になるともう我慢できん 夕飯はメシがいいので、昼食だな 平日は仕事で外食だから、土日のどちらかだな よし!日曜日の昼飯に決めた! スーパーで焼きそばを物…
なんかそういうことしょっちゅうない? 髪洗ってる時とか、体をゴシゴシこすっているときなら諦めもつく 今は出れねえって スルーして再びゴシゴシする あーっ!気持ち良かった!と脱衣所に出てきたときに、コンコンとドアを叩く音が聞こえる 「宅急便でーす…
飲み会はに苦手だ 考えうるありとあらゆる、それっぽい理由を引き出して逃げる そんな飲み会嫌いなおれが、20代前半の若かりし頃の話 当時、文章教室なるものに通っていた マスコミを受けよう、そのためには文章を学ばねばと申し込んだ 初日の講義中、すいま…
これまでの人生、眉毛を整えたことがない いや、ゼロではない 理容室に行って、薦められ、ついでに切ってもらったことがある 思ったより、大胆に切っていくものなんだなと思った 自分でもやった方がいいですよ〜と、微笑みながらアドバイスしてくれる 眉毛を…