眉毛げ
これまでの人生、眉毛を整えたことがない
いや、ゼロではない
理容室に行って、薦められ、ついでに切ってもらったことがある
思ったより、大胆に切っていくものなんだなと思った
自分でもやった方がいいですよ〜と、微笑みながらアドバイスしてくれる
眉毛を整えるのは、髭を剃るのと同じくらいハードルが低く、日常的なことですよと、その顔はおっしゃっている
おっさんでも整えた方がいいのか
大学生とか20代は、文化として根付いてると思うのだが、世の中のおっさんも大概、眉毛に気を使っているのだろうか
おれは眉毛が濃い
マッキーの太字の方で、思いっきし塗りつぶしたように濃い
何かの本で、眉毛が太い人は先祖代々に働き者が多く、一生懸命動き、汗だくになるから、目に入るのを防ぐように自然と太くなっていった血筋なのだと
そうなのか、じゃあええかと思っていたフシもある
自分で整えるとなると、最初は失敗するだろう
考えられるのは、左右対称にならず、どんどん切っていって眉毛がほとんどなくなってしまう状況だ
麻呂、のような顔立ちに仕上がることも考えられる
平安時代なら雅だろうが、令和では厳しい
元々、濃いのもあり、バッサリ切ってしまった後のギャップは格別だ
あれっ、失敗したのね、あれは、久々にすごいの見たわ、ひそひそひそひそと小声で話されるかもしれない
10代の若者ならともかく、いい年こいたおっさんが、眉毛カットで露骨に失敗している様は恥ずかしい
ならば、このままゲジゲジ眉毛で生涯を全うするか
定期的に床屋に行くから、その時に頼むという手もあるが、なんだか気恥ずかしい
「あの、今日はオプションで頼みたいのがあるんですけど」
「なんでしょうか?」
「ま、ま、ま・・・」
「はい?」
「ま、まゆゆ!」
「なんですか、推しの話ですか?」
「いや、あの、まゆげ・・眉毛カットを・・・」
!!
このおっさん、見た目とは裏腹に眉毛カットなんて、小洒落たことに興味あったんだわ、いやだわ、いやだわ、退散だわ
言えんな
眉毛は伸びてくるのが案外早いので、床屋に行く頻度だけでは間に合わないらしい
結局、自分でやるしかないのだ
ゲジ眉のままか、麻呂になるか、思案中だ
ギッリギリらて!!