眠れないおっさん

ちょっとしたことで眠れない

これがするともうあかん

そろそろ寝ようかな〜と布団に潜り込むも、隣の部屋から話し声や物音がすると、気になって眠れない

そんなに大きな音でなくても眠れない

気にするなて、こんくらいと自分に言い聞かせるほど、眠れない

翌日、仕事のときは特に困る

睡眠不足がモロに体調に影響するので、しっかり体を休めておきたい

ずっと賃貸物件に住んできて、隣人という存在がとても大きな意味を持つようになった

夜中に仲間と電話したり、遊んだり、テレビを通常の音量で見ているような人だと、めっちゃピンチなのだ

普通の人なら、気にせず就寝できる環境なのかもしれない

住んでるところの目の前が、幹線道路だったり、踏切だったりする方もいるわけで、睡眠ハードルが低いのが羨ましくて仕方がない

どこでも寝れますよ

そうサラッと言えるのってかっこ良くない?

小さなことを気にせず、ちょっとしたことで動揺せず、男らしいイメージだ

何より、生活しやすいと思う、どこでも寝れるって

すいませんが、もう少し静かにしていただけると嬉しいのですが

隣人にこのセリフを何度か言ってきた

あるときは口頭で、またあるときは手紙を投函して

意見を通すのは苦手だ

めっちゃハードル高い

できれば、言いたくない

みんな自由に楽しく過ごして欲しいと思う

しかし、寝れない自分を見捨てるわけにはいかない

ギリギリまで思案した挙句、ドアをノックしたり、手紙を書いたりする

音が気になりだしてから、しばらくは考え込む

気になって眠れないが、おれが過敏なだけで、世間的にはこれくらいの物音は常識の範囲内なのではないか

おれの単なるワガママじゃないだろうか

生活スタイルだって違うわけだし、一概に判断できないかもしれんで

ぐるぐると思いが巡る

堂々巡りで悶々とし、一定時間を過ぎると、切腹するような覚悟で動き出す

すまぬ隣人よ! 静かにしていただけないかという申し出を許しておくれ

幸いなことに、大きなトラブルにはならず、それ以降、皆、静かにしていただけている

誰かと電話していたり、サッカー観戦で盛り上がっていたり、仲間とゲームで盛りがっていたり、色んなケースがあった

今度、引っ越すときは、思いっきり田舎の方がいいな

一軒家で、両隣りも離れていて、目の前の道路は昼間でも往来がほぼ皆無で、森と山と川が点在していて緑が豊かで、時折、たぬきが出没し、蟻が明らかにでかく、トウモロコシが何かに食われているようなところ

不思議なもので、虫や鳥の鳴き声は全く気にならない

むしろ心地いい

年を重ねる度に過敏さが増している気がする

おっさんには都会の喧騒が眩しくなってきた